カラス君と黒猫さん
「・・・・・・・・・・・・・・・はい」
『うぉおおおおい!!何でブチ切るんだよ!俺俺!雅だよ!』
「何だ、雅かー。オレオレ詐欺とかだと思っちゃったよー」
『棒読みやめて!ちょっと悪意篭ってたよね!?』
壁に凭れて、一つ溜め息。
「・・・・・・で、どうしたの?」
向こうは店かな。
騒がしい。
『・・・・・・黒猫が、音信不通なんだ』
どくり。
心臓が速くなって行くのが分かった。
「・・・・・・・・・え・・・・・・?」
『今日はもう2時間も前から勤務の筈なのに、まだ来ないんだ。携帯も出ないし、家に掛けても居ない。何か知ってねぇか?』
どく、どく、どく。
心臓がうるさい。
(いない・・・・・・・・・?)
『仕事に几帳面な黒猫が来ないなんて初めてで・・・・、ってカラス?』
「・・・・・・黒猫さんの携帯番号、知ってる?」
『へ?・・・・・・う、あぁ。教えようか?』
「うん、教えて。俺も掛けてみるから」
そして、雅が読み上げる番号を紙にメモする。
未だ、心臓はうるさいまま。