カラス君と黒猫さん





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



目の前には、黒猫さんの髪。




俺の胸に、黒猫さんの顔。
そして、離そうとしない服の裾。




この人、寝ぼけてるのか、魘されているのか。



「・・・・・・・・んん・・・・・・・・・・・・・・・・」




黒猫さんは、不快そうに眉間に皺を寄せ、何やら唸っている。
どうやら悪夢を見ているようだ。





「っ、」


服を引っ張る手が離され、代わりに冷たい手がシャツの隙間に入り、這う。



(黒猫さん・・・・・・・・・・・夢見が悪すぎだ・・・)



俺の背中(しかも素肌)に黒猫さんの冷たい手が回されていて、胸には黒猫さんの寝顔。




あぁ、写真撮りたい、なんて。



いやいや、そうでなく。
この格好はマズいと思う。


何がって、起きた時の黒猫さんはこの状態をどう思うんだろう、と。





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