恋も仕事も、
彼との思い出
この3年と少しの間、私は聖也でいっぱいだった。
ケータイの受信フォルダの中も、アルバムにはさんである写真も、至るところに置かれているお揃いの日用品も。
私の生活のあちらこちらが聖也でいっぱいだった。


その中でも目に留まるのがベッドの横に置いてある、誕生日に撮った聖也と私の写真だ。
そのときに聖夜からもらった可愛らしい写真立てに飾ってある。

「…嘘つき。来年も再来年もずーっと死ぬまで一緒にお祝いしようねって約束したのに。」

私はそっと写真立てを倒した。
それと同時にメールも削除。
3年と少し付き合った思い出なんて消してしまえばそれで終わりだ。
削除した時に、なぜか一瞬だけ聖夜のことが吹っ切れたような気がした。
でも、それも一瞬。
私の両目から涙が溢れ出した。

聖夜はずるいよ。
私は今までずっと聖夜のことが好きだったのに…。
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