天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
その事には、遥も表情を曇らせる。

修学旅行の騒動をおさめる為には、皇帝自らが生徒会長に女装男子の正体を告げ、協力を仰ぐ必要があったのだ。

が、今ではその事が、逆に彼らノルディック星人の首を絞める。

彼らが宇宙人であるという事をネタに、白神 月が皇帝達を強請ってはこないかと…。

「お兄ちゃんを呼び出した用件はそれなんだ」

弟が心配そうに言う。

「この女装馬鹿のお陰で、監察官であるノルディック星人の任務に支障が出るかもしれない。それを阻止する為には、何とか生徒会長を黙らせる必要があるんじゃないかな」

「…………」

皇帝は渋い顔。

「俺は…あの白神 月がそんな器の小さい女ではないと思っているのだが…」

「何言ってるのさ遥!」

女装男子が声を上げる。

「あの『コロコロ笑ってジェノサイド』白神 月だよ?天神学園のどんな権力者…18禁風紀委員長も、体育祭実行委員長も、世界を牛耳っている組織の一員って噂のヘッドフォンも押さえつけてるし…」

女装男子のポケットから、小さな精密機器が取り出される。

ノルディック星で開発された、高性能盗聴器だ。

「さっき、あのヴリトラも生徒会長の前に敗北を喫したみたいだよ」

< 105 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop