天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
龍太郎の呼びかけに否定も肯定もせず。

「いい所に!」

月人はツカツカと歩み寄ってくる。

…宜虎の所に。

「やあ着流し男子、君とは一度じっくり話がしたかった」

「あぁん?」

怪訝な表情を浮かべる宜虎に。

「用件は他でもない。君の妹さん、いるだろ?あの黒髪を簪で留めた下駄履きの…彼女、貰っちゃっていいかい?俺の732番目のガールフレンドにさせてよ」

「あちゃあ…」

ヴリトラがニヤニヤしながら額に手を当てる。

「……」

翡翠との戦闘以来、半分に切断されたままの木刀。

その木刀で。

「げひゃんっ!」

宜虎は月人を張り倒した!

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