天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
事件はその時起きた。

「っ!」

突然の、突き刺すような殺気!

咄嗟に龍太郎と宜虎が振り向くと。

「見つけたぞ…」

まるで合戦場を駆け抜けてきたかのように呼吸を荒げる、一人の剣豪の姿があった。

「やべぇっ、翡翠!」

龍太郎が声を上げる。

(ちっ…まだ月姫が兼重を持ってきてねぇってのに…!)

宜虎の手には、いまだ半分になった木刀しかない。

今、翡翠と一戦交えるのは圧倒的不利。

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