天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
夕城 翡翠。

天神学園が誇る武闘派教師陣の中でも、戦闘力では1、2を争うであろう剣豪。

彼が生徒会側についたというのは、捜査隊にとっては大きな障害となる。

そしてこの殺気。

翡翠はいつ仕掛けてきてもおかしくないだろう。

「手筈を確認しておくぜ?つっても…」

宜虎が立ち止まり、振り向く。

…背後に立つのは、人斬りに魅せられたように川蝉を抜き放つ、侍一人。

「俺がここで野郎を足止めするってだけだがな」

対峙する宜虎と翡翠。

「笑止」

川蝉の刃に僅かな光を反射させながら、翡翠は無表情で呟いた。

「小僧っ子一人で俺を足止めしようなどという不遜…この場で改めさせてやる」

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