good night

ちょっと待ってみようかな。

あたしはそう思って
屋上のど真ん中に
1つだけあった古びたイスに座った。

尾川玲はいつも
こんなところに一人でいるんだ。
寂しくないのかな?
よく考えると、
あまり遥と一緒に
いるところを見ない気がする。

尾川玲ってどんな人なんだろう。


『ギィー・・・』


耳を塞ぎたくなる音 誰か来たみたい。
古びたイスに座っていたあたしは
ドキドキしすぎて
イスから立ち上がれず座ったまま
頭はドアの方に向いていた。

『サー・・・ サー・・・』

いかにも上履きを引きずってる音。
その音しか聞こえない。
誰か分からない・・・。

一歩ずつ、一歩ずつ。
足音が近づいてくる。
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