ハーレム ブラッド
「止めなさい!!」


姫野が叫ぶ。


「うるせーな…」


「口になんか詰めとけ。」

「だな、アレを入れて噛みちぎられたら男として生きてけねぇしな。」



「おい、ポケットにハンカチだぜ。

これ詰めとけ。」


赤いハンカチが詰められた。


「むぐっ!?


(くっ…

嫌よ…

こんな奴らに!!

誰か…助けて…


誰か…


助けて…幸大。)」


姫野は歯をくいしばった。

―ぴちゃっ―





ビルの外


「幸大君、置いてきたよ。」

「私も終わりましたよ。」


クーニャと咲子が幸大のところへ集まる。

「よし。」


「で…この血の塊を窓の付近に置いて何をする気ですか?」

咲子が言う。

「こうするんだよ。

ブラッド・ブラインド」


ズァーッ!


血の塊が液体になり窓に張り付くとまた固まった。


「これで姫野さんを助けに行くの?」

クーニャが言う。


「いや…

吸血鬼は夜目が利くからな。

夜目の利かない人間相手には戦いやすいだろ?

それに鮮血の眼さえ出さなかったら吸血鬼の爪を使ってもバレないだろ?」

「だから…

姫野さんは血が足りないから戦えないし…

吸血鬼の力も満足には使えないよ?」
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