ハーレム ブラッド
皆が着席する。

「先生…何で血が冷蔵庫にあったか説明してほしいなぁ?」

クーニャが言う。


「その…

信じてもらえないかも知れないけど…


私、吸血鬼なの…」


「…。」

沈黙。

「信じてもらえないわよね…」


「吸血鬼なのに輸血用の血液だけで平気なのかしら?」

姫野が言う。

「あの…私は吸血鬼の中でも一番血を吸わなくても生きていけるタイプなの…

眼を見てて。」

ギンッ!

緑色の眼。

「翡翠の眼って言ってね。

この眼を持ってる吸血鬼はあまり血を吸わないし…その友好的だから危険も少なくて…」


桂木が必死に弁解をしようとする。


「まぁ…先生が吸血鬼だろうと良いですけど…

取り合えず…クーニャ、姫野。


部屋を荒らしたことを謝れ。」


「む〜。

ごめんなさい…。」

「すみませんでした…」

二人は不満そうに言う。

「咲子…お前も許可なく勝手に本を読むな。」


「先生…これの次の巻はどこですか?」

咲子が言う。

「あ…

まだ出てないの。

発売予定日は過ぎてるけど出版されてないのが多いから…


あ…漫画もあるわよ、こっちの本棚。」

咲子を寝室に案内した。
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