ハーレム ブラッド
「ふぅん…

だから榊さんが手放したくなかったんだぁ…」


「そうよ。

悪い?」


「ん〜ん。」

クーニャが首を横に振る。


「たぶんねぇ、私もそうしたし。

幸大君、ありがとね。」


「今回限りだ。

二度とやらないからな?」


「えー…

1週間に一回くらいよくない?」

「他の奴か病院で輸血でもしてもらえ。」


「ぶぅ〜。」

「ブーイングする奴にやる血液はない。」

「冗談だよ…冗談。

だって、他の人からは動脈の血はもらえないし…」

「お前もかよ…」

「私は誕生日の日に妹の血を少しもらったけどそれよりも段違いに美味しかったよ!」


「力説されても知らんがな…」

「それよりも…山下さんに飲ませたんだから私にも吸わせなさい。」

「嫌だ。」

「こんなガキっぽいのには飲ませたのに、私は嫌なの?」

「お前にも一回だけって言っただろ…」

「それに、クーニャはガキっぽいんじゃなくて猫かぶりって言うんだよ?」

「ならその皮を剥いであげようかしら?」

「幸大君、こんな怖い吸血鬼は放っておいて帰ろう?」


「待ちなさい…

幸大君…大人しく血を吸わせてくれないと力ずくになるわよ?」

「幸大君、こんな脅す人に飲ませるくらいなら私に吸わせて?」
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