ハーレム ブラッド
「そうか…

大変だったね。」

桂木父が言う。

「…。」

幸大は無言のままだ。


「僕たちは血を大量に必要なわけではないから君をどうこうするつもりもないし、安心してくつろいでほしい。」


「そもそも、先生の御家族を疑ってはいませんよ。」

幸大が言う。


「どうこうするつもりしかないわぃ!」

祖父が言う。

「あ?」

幸大が言う。

「貴様なんぞ簀巻きにして海に投げ込んでくれる!!」

「上等だ!!

やってみろ!」

「なんじゃと!?


口の減らんガキめが!!」

「そのガキに動きを封じられて凄んでんじゃねぇ!!」


「お、岡田君…

落ち着きましょう?」

桂木が幸大の腕を掴む。

「優衣!!

そんな奴の腕を掴むなど許さんぞ!!


今すぐ離れんか!」

「お祖父ちゃんも岡田君と仲良くしてよ!!」


「そんなに奴が良いのか!?

ワシよりもか!!


そんな奴よりも良い奴なんぞワシが紹介してやる!

そいつは諦めろ!!」


「お祖父ちゃん!!」


桂木が一際大きな声をあげる。


「ゆ、優衣?」

祖父が驚く。

「岡田君を虐めないで!!

お祖父ちゃんでも言って良いことと悪いことがあるよ!

岡田君と仲良くできないならお祖父ちゃんのこと嫌いになるから!!」

桂木が怒りながら部屋を出ていった。
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