ハーレム ブラッド
祭り会場



「…。

まぁ、こうなることは予想していたがな…」

幸大が呟く。

「私も予想していました。」

咲子が言う。

「あははは…」

桂木の乾いた笑い。


幸大の携帯が鳴る。

ディスプレイには姫野の文字。


「もしもし?」

『幸大…どこにいるのよ。』

姫野が言う。

「こっちの台詞だ。

どこにいるんだよ。」

『さぁ?

知らない土地のお祭りよ…わかるはずないわ。』

「お前は誰かと一緒か?」

『沙羅といるわ。』

「そうか。

ちょっと待て。」

『早くしてほしいわね。』



「優衣さん。

この辺で目印と言うか待ち合わせのできる場所ってありますか?」

幸大が言う。

「神社なら周りの人に聞けばすぐにわかると思うけど。」


「わかった。


もしもし?

神社の境内で待ち合わせだ。

場所は周りの人に聞けばわかるそうだ。」

『わかったわ。』


通話が切れた。

すぐに携帯が鳴る。

ディスプレイにはクーニャの文字。


「もしもし?」


『幸大か?

迷子だ。

どうしたらいい?』

マリアの声が聞こえる。

「あれ?

クーニャは?」

『声が聞きたいか?

ほら…』

『ふしゃーっ!

私の携帯、返してよ!!

幸大君には私が話すから!!』


クーニャの声がした。
< 249 / 500 >

この作品をシェア

pagetop