ハーレム ブラッド
「咲子…。」

「はい…。」

私が頭を後ろに倒すと幸大さんが私にキスをします。


「ん…」

いつもは触れるだけのキスなのに…今日は…深く、そして溶け合うようなキスでした。


「どうか…したんですか?」

いつもと違うキスの理由を訊ねると…


「優衣さんに血を吸われたし…まぁ、欲求不満もあってな。」


合点がいきました。

幸大さんは夏休みの旅行から帰ってから実家に帰っていないので色々と溜まっていますし、翡翠の眼の吸血鬼である桂木先生の影響で本能に忠実になりつつあります。


部屋は私がお風呂からあがってすぐに敷いた布団があります。


御膳立ては十分ですが…


どさっ…


幸大さんは私を押し倒します。


ここまではたまにありますが…これ以上のことを幸大さんはしません。


「…悪い。」

幸大さんは私を抱き締めるだけです。

たまに思いますが…幸大さんは本当に健全な男性なんでしょうか?


普通の高校生ならば若き暴走のごとく色々とヤってしまうのが普通のはずです。


「悪かった。」

再び謝り幸大さんが私から離れようとします。


「押し倒したことを謝るよりも、押し倒したのに何もしないことを謝ってほしいと私は思いますが?」


「いつか…な。」

「いつですか?」

「…。

俺が我慢できなくなったらだ。」

「はぁ…。

この前と同じこと言ってますよ?」

「悪い。」

「許してほしいなら…このまま…抱きしめたまま一緒に寝てください。」
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