ハーレム ブラッド
翌日、昼休み


屋上


「幸大…調子でも悪いの?」

姫野が言う。

「…。

いや。」


少し間を空けて答える。

「幸大さんは昨日の夜に帰宅してからこんな感じです。」

咲子が言う。

「俺にも色々とあるんだよ。

まぁ、大したことじゃないけどな。」

幸大が言う。

「悩みがあるなら何でも言ってね?

私は幸大君の担任なんだから。」

「本当に悩んでたら相談してますよ。

優衣を信頼してますから。」

「幸大君…」

「ただ、悩みではないんで。」


「本当に〜?」

クーニャが幸大を覗き込む。

「いちいち嘘ついてどうする…」

「でも…なんかいつもと違いますよ?」

沙羅が言う。


「小さな子が歯医者の前に来て駄々をこねるような気分だな。」

幸大が言う。

「なんだ?

幸大は虫歯なのか?」

マリアが言う。


「はぁ…

お前は単純だな。」

ぎゅっ。

小柄なマリアを包み込むように後ろから抱き締めた。


「な、なな!?

何すんだよ!!」


マリアが体を硬直させながら言う。


「幸大さんの言いたいことがイマイチわからないのですが…」

咲子が言う。
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