ハーレム ブラッド
ヘリコプターから離れて怪物に幸大が近づいた。

「うあああ!!」

目の前で見知らぬ人間が血液を失った。


「きゃああ!」

女性が怪物に捕まった。


「やめろぉぉぉぉぉ!


ブラッディ・ハンター!」

ギュルルルル…


高速回転する円盤が怪物の腕を切り落とした。


「ブラッド・ワイヤー!」

鉄血の糸で女性を引き寄せた。

「このまま走って逃げてください!」


幸大は女性を逃がした。


怪物の腕は回復していた。

「喰らえ!」

ギィィィィンッ…


「な!?

チャクラムを防いでる!?」


「ぐ…がぐ…」

バキィンッ!

鉄血の円盤が砕かれ液体になった。


ジュルッ…

その血液をも怪物が飲み込んだ。


「手加減なんか出来ねえ!!」


ギュルルルル…

4つのチャクラムが怪物を襲う。


ギィィィィンッ!!

4つとも防がれた。

「くそっ!」

バシャッ…

チャクラムの1つが液体になった。


「飲み残したのを恨みな!!」


怪物が残した地面に落ちた血液がチャクラムの形になった。


ザシュンッ!

背中を斬りつけた。

「背中なら効くのか?」


ギュルルルル…

チャクラムは進路を変え背中を襲う。


ギィィィィンッ!!

背中に当たったが斬れない。


「こいつ…意識的に体を硬くできるのか!?」


「ぐ…」

怪物が頷いたように見えた。


「鉄血は本物の鉄よりは脆い。

が…」


シュンッ!

ズシュッ!


幸大の指先から放たれた鉄血の棘が怪物の腹を貫いた。

「針の様に細いなら貫けるのか!?」


ぐんっ!

棘ごと幸大が引っ張られた。


「しまった!?」


がっ!!

「うぁっ…が、ぐ…」


怪物に握りしめられる。


「おらぁっ!」
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