ハーレム ブラッド
ズシュッ!

幸大の首筋から伸びた棘は怪物の眼を刺した。


「がぁぁぁぁ!」

ばっ!

幸大を離すと同時に幸大を睨む。


「やばっ!?」

幸大の横になって落下中の幸大の眼には振り下ろされる怪物の拳。


まるでスローモーション。




ぐしゃっ!!



ぶしゅぅっ!!



辺り一体が血に染まった。


「幸大君!!

無事か!?」


ヘリコプターが近づく。



怪物は血の池を悦び水浴びをするがごとくはしゃぐ。



シュルッ!

「幸大君!?」

幸大の指先からは鉄血のワイヤーが伸びていた。


「このまま…がはっ…一旦、退きます…。」


幸大が引き上げられて逃げる。



「幸大君…よく、助かったね…」


榊パパが言う。


「ギリギリ…がふっ!?」

幸大が血を吐く。

「幸大君!?」

「気にしないでください…

これは血を吐き出した時の残りです。」

「血を!?」


「榊主任、彼を喋らせないでください!


肺に肋骨が突き刺さっています!!」


「な!?」

がしっ…

幸大が榊を掴む。


「鉄血の厚さ約5センチの盾を8枚張ったが砕かれて…

はぁ…はぁ…


だから、血を吐き出した。


怪物の目眩まし程度にはなった。


力が弱まったからまだ、俺は生きてる。


奴は血さえあるなら多分あそこから動かない…


だから…誰にも近づかせるな…」


「しかし…」

「奴は…倒せる…


俺なら…次は、きっと…」


幸大が気絶した。
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