ハーレム ブラッド
「幸大さん、学校ですよ?」

咲子が言う。


「あ…

わるい。」



「そもそも、まだ右腕は治ってないんですから。」

咲子が言う。

「え?

でも包帯もギプスも外してるよね?」

クーニャが言う。

「暗幕の中に入る必要はないですよね?」

咲子が言う。

「それよりも右腕、治ってなかったの?」

姫野が言う。

「ああ。

骨がくっつくのには時間がかかるからな。

だから、血液で骨をコーティングして動かしてる。

右腕が使えないと不便だしな。」

幸大が言う。

「さて、暗幕は片付けますよ。」


咲子が暗幕を取り払って姿を消した。

「咲子ちゃんってマジシャンみたい。」

クーニャが言う。

「幸大…暗幕の中で何やってんだよ。」

行正が言う。

「咲子のお陰で二人のいちゃいちゃは隠せたみたいね。」

姫野が呟く。



「何やってたんだ?

女性に囲まれて何を!!」


「蛍光塗料が暗闇だと実際はどのくらい光るのか…試したんだよ。」


「なんだよ…つまんねぇな。」

行正が立ち去った。



「ふぅ…」

幸大が溜め息をついた。
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