ハーレム ブラッド
その後もカップルの悲鳴が木霊した。

出口付近


「ぐすっ…えぐっ…

うっ…うっ…

しくしく…」

墓石の前でとても悲しそうに泣く幽霊。

「な…なんだよ…まだあるのかよ?」

男性が言う。

「何で…いきなり優衣さん…って…

あんなに好きだって…愛してるって言ってくれたのに…」

そう言って泣きながら優衣がカップルに近づく。


「ひぃぃぃっ!?」

「ううっ…

幸大君〜。」





「お疲れさまでした!」

受付をしていた女子が言う。





幸大たちの場所



「つまり、うらめしやと言っても可愛く見えてしまう桂木先生を泣かせて尚且つ怨念や負のオーラを纏わせるためにわざと優衣さんと呼んだんですか?」

「ああ。

姫野やクーニャに言われて仕方なくな。」

「そうですか。」

「ちなみに優衣の衣装の血は俺の血だ。」

「でしょうね。」

「後で優衣もフォローしておかないと。」

「取り合えず、今は私のことだけ考えてください。」

「ああ。

咲子…愛してる。」

ちゅっ…


「ん…

あっ…幸大さ…ん


ここ…学校…

あっ…

〜〜〜〜〜っ!?」

咲子が小刻みに体を振るわせ脱力する。


「はぁ…はぁ…

学校で…何てことをするん、ですか…」

「いや…咲子の首筋にキスマークがなかったからつけておこうかと。」


「学校でそんなに激しくするくらいなら…毎日、小まめにやってくださいよ…」

「悪かった。」

「ただでは許しません。」

咲子が幸大の学ランを脱がして血を吸う。


ちゅっ…

最後に首筋にキスをする。

「これで許します。」

咲子が優しく笑う。
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