ハーレム ブラッド
「幸大君…

そんなの重くて…背負えないよ…」

優衣が泣きながら言う。

「愛なんて背負うものじゃないし…

愛に大きさがあっても、愛に重さなんてないから…


安心しろ。」

幸大が言う。

「では…そこの椅子に座ってください。」

男が指差したのは…

「玉座…か?」

立派な…王の座る椅子に見えなくもない椅子。


「ええ。

あなたは…正確にはあなたの体は王になるのですから。」


「はいはい…」

幸大が座る。


スッ…

ナース姿の女性が3人現れた。

「これは何のつもりだ?」

幸大が言う。

「お嫌いですか?」

男が言う。


「いや…

ナース姿も良いな。」

幸大が言う。

「喜んでくれて何よりです。


我々はあなたを敵ではなく…あくまで来賓として扱うつもりです。

いえ、主賓かも知れませんが…


ですから…それなりの持て成しを致しますよ。」

男が言うとナース姿の女性たちが幸大の腕をまくりアルコールを塗る。

「リラックスしてくださいね?」

優しい声で言うナースは幸大の肩をマッサージする。


「いやぁ…

王ってのも悪くないな…


俺の精神が眠っちまうのが残念だ。」

幸大が言う。
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