ハーレム ブラッド
娘やお孫さんを僕にください!!
その時



バゴォンッ!


扉が吹っ飛ぶ。


「私の息子を誘拐した者たちだな?」

幸大の父が言う。

「優衣を誘拐したんじゃ…


生きて返さんぞ小わっぱどもが!!」


優衣の祖父が叫ぶ。


「姫野、パパが助けに来たぞ?」

榊パパもやってくる。

「力仕事は男性に任せたいのだけどね。」

ダリシスが言う。



「はははは!!

貴様らに何ができる!

王はすでに覚醒した!」


「だが…味方になったなんて言ってねぇぞ?」


黒き眼の幸大が言う。


「な!?

黄金の眼はどこに…」


ギンッ!

幸大の眼が銀色に変わる。

「へぇ…

吸血鬼になっても大して変化はないな。

そして、」

ギンッ!

黄金の眼。

「これも違いはないな…」


幸大が言う。


「そんな…

王はどこへ…」


『余はここだ。』

幸大の手のひらの上に宝石のように輝く紅い血が浮いている。

「な!?」

『血を操る能力のお陰かはわからんが血の状態で意識もある。

そして会話も可能。

十分だ。』

「くっ…

あの男を捕えろ!!」

男が幸大を指差した。

『幸大、我に体とそなたの力を貸せ。』

「すぐに返せよ?」


バサッ!

幸大に翼と鋭い爪、牙が生えた。


『余はもう自由だ。

余は王などではない!

我は吸血鬼、ヴァンであるぞ!!』


ドッパァンッ!

血の波が吸血鬼を押し流す。
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