ハーレム ブラッド
放課後


「それにしてもバレンタインデーってのは貰う側になるとこうも嬉しいんだな。」

幸大が下駄箱の近くで言う。

「あげる方も楽しいよ〜。」

クーニャが言う。

「男子ってのはさ…特に俺みたいにモテない奴はバレンタインデーの放課後に下駄箱を開けるときにさ少し期待するんだよ。


誰かが下駄箱にチョコ入れてないかな…とかって。


まぁ…今まで入ってたことはなかっ…」

幸大が下駄箱を開けて固まる。


「どうかしたの?」

姫野が幸大の下駄箱を覗く。

「チョコが入ってる。」

幸大が放心状態で言う。


「誰が入れたんだ?」

マリアが言う。

「さぁ?

特には書いてないな。


お前ら以外に誰がくれるんだろ…」

幸大が言う。

「幸大さんは素敵ですから、貰っても不思議じゃないです!」

沙羅が言う。

「沙羅は可愛いこと言うなぁ〜!」

沙羅の頭を幸大が撫でる。

「は、恥ずかしい…です。」

沙羅が言う。


「ま、とにかく…誰がくれたか解らないが…。

ありがとう。」

幸大がなんとなく呟いた。


「咲子が校門で待ってるから早く行きましょう?」

姫野が言う。

「ああ。」


幸大たちが立ち去る。



「ふふふ…

幸大様が喜んでくれたわ…

ふふふ…」

下駄箱の近くで女子が笑う。
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