ハーレム ブラッド
「でも実は立ち去ったあとに上級生から靴の隠した場所を聞いてきてさ。


他の奴の下駄箱に適当に入れたって言われて一緒に下駄箱を手分けして探したよな。」


「…。」

「優しいんじゃないか?

やっぱし。」

「…かもな。」


「でも、多少意地悪をしてから最後には助けてくれるからやっぱし甘いのかもな。

非情になれないんだよ、やっぱし。」


「やっぱしってお前の中の流行語か?」

「たまたまだって…


よし、

お前は甘優しい!」


「安直な造語だな…」


「ま、俺はプリントを提出してくるからな!!」


行正が教室をあとにする。



「私たちから見たらただの甘い人って感じよ。」

姫野がやって来る。

「甘いって言うか血的に美味しい人だよぉ。」

クーニャも一緒だ。


「だろーなとか思ってる。


血をやらないとか言っときながら貧血で倒れる度に何だかんだで吸わせてるからな…」


幸大が言う。

「先日はごちそうさま〜。」


クーニャが言う。

「3日に一回はこうやって交渉に来てるんだから…

優しい人間になったら?」


「だから…

血はやらん。」

「倒れてからくれるんじゃなくて、倒れる前にくれると優しい人間なんだけどなぁ〜。」

クーニャが言う。
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