ハーレム ブラッド
「いちいち俺のところに来ないで彼氏でも作ってそいつに頼んどけ。」

「そんなこと言って余裕かましてて良いのかしら?」

姫野が言う。

「どういうことだ?」

「ほーら。」

クーニャが手紙を二枚取り出す。

「私も。」

姫野は三枚。


「何だ?」

「ラブレターよ。

一年の頃の最初にもあったけど、全部断ってたらいつの間にか来なくなってたのよね。」


「でも最近またもらうようになったんだよぉ〜。」

「だろうな。」

幸大がしれっと言う。

「もともと、2年になってお前らとは初めて会ったときから俺にとっては高嶺の華だった。


しかも、俺なんかは下の中くらいの男子だ。


なのに、榊や山下の方から俺のところへ甲斐甲斐しく3日に一回は必ず詰め寄ってくる。



他の男子からすれば、

あいつに言い寄るなら俺にもチャンスがあるのかも…ってなるだろ?

それでまたラブレターが増えたんだろ?」

「そうなの?」

いつの間にか戻ってきた行正に姫野が話を振る。

「もちろんです!!

あわよくば俺…、いえ、私もラブレターを…」


「ごめんねぇ。」

「私もあなたとは付き合えないわ。」


「ラブレターを出す前にフラれた!?」


行正が落ち込む。
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