ハーレム ブラッド
「は?


おい、姫野。

言ってやれよ。」

「…。


私は、先輩と付き合ってるのよ?


彼よりも先輩の方が良いに決まってるじゃない。」

姫野が言う。


「聞いたか!」


「はい!」

咲子が笑う。

「姫野さん。

なら…二度と幸大さんに関わらないでくださいね?

以前のような関係に戻ることも、それ以上の関係になることも…

許しません。

もし、そんなことをしたら…あなたをただの肉塊に変えますから。」


咲子の眼が一瞬青くなった。

「言われなくても、彼よりも上の人間はいくらでもいるもの。


二度と関わらないわ。」

姫野が言う。


「なら…良いです。

さて、幸大さん。

早く行かないと何も買えません。

行きましょう。」


「ああ。」



「姫野さん…最後に一言。」

「何かしら?」


―負け犬―



「な!?」

「では。」

咲子が幸大の手を引っ張り歩き出す。


「待ちなさい!!」

「嫌ですよ。

私にも二度と関わらないでください。」



咲子と幸大はそのまま振り返らず歩き出した。
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