ハーレム ブラッド
「どうしますか?」

咲子が言う。

「榊とも山下とももう関わらないってことになってるからな。

気にする必要はないだろ?」

「同感です。」



彼らとすれ違った時。


「待てよ。」

姫野の彼氏が幸大を呼び止めた。


「…何か?」

幸大が振り返る。

「お前、姫野と噂になってた2年だよな?」

「噂には興味ないんで、なんとも言えないです。」

「横にいるのは彼女か?」

「…。

答える必要はないですよね?」

幸大が言う。

「ああ?

何気取ってんだ?」


「あなたは訊いてばかりで自分で考えることもできない残念な方ですね。」

咲子が言う。

「何だと!?」

姫野の彼氏が一歩前に出るのと同時に幸大が繋がれた手を引き咲子を後ろに下げる。


「…。

まぁ…見てわかったが、姫野とお前じゃあ確かに釣り合わねぇよな。」

勝ち誇った顔。

「まぁ…当然ですよ。

姫野さんごときが幸大さんとなんて分をわきまえないにも程があります。


姫野さんにはあなたみたいな下らない人間がお似合いです。」

咲子が言う。

「てめぇ…さっきから聞いてりゃ…」


「だったら姫野さんにどっちが良いか聞いてみれば良いじゃないですか。

あなたみたいな小さな存在と幸大さんのどちらが良いか。」
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