ハーレム ブラッド
父親が帰り、駅前に二人きり。


「幸大さん、ゲーセンに寄りましょう。」


「え?」

「携帯のおまけにこれが付いてました。」


咲子の見せたストラップ。


「ん?

ただの白いボードだよな?

不良品か?」


幸大が言う。

「違いますよ。

ほら。」

ストラップの入ったケースの裏を見せる。


「プリクラを貼るのか…」

「はい。

この前のゲーセンにありました。」


「ったく。

ま、別にいいけど。」


「素直に一緒に撮りたいって言えば良いじゃないですか。」

「うるせー。」


グンッ…


いつの間にか繋いでた咲子の手に重みを感じた。

「どうした?」

咲子を見た瞬間に気づく。

「貧血か…。」

「はい。

プリクラの所なら見られずに吸えますからそこまで行けば…」

「駅前なんて路地がいっぱいある。


ゲーセンまではそれなりに距離もあるしな。

途中で倒れるよりは良いだろ?」


幸大と咲子が狭い路地に入る。


「こんなところに連れ込んで何をする気ですか?

…などと言うのが、」


「黙れ。

早くしろよ?」

幸大は学ランのボタンを外し、首筋を出す。
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