剣と魔法と時々笑い。
「そう、手品!だから種明かしはなしね!」
「わ、分かりました・・・」
「分かった・・・」
ちょっと強引だけど、本当に種明かしは無理だから、そのまま押し切った
「二人共、ちょっと離れててくれます?この距離だと危ないかもしれないんで」
「危ない?」
「何がですか?」
二人は首を傾げる
あの爆発で仕留めたと思ったのか、もうすっかりリラックスしていた
まぁ、それでもメンタル強いよね
だって、普通もっと慌てそうじゃない?
狂ったりとかさ
この二人はそんなこと無いみたいだし、やっぱ凄いよね。うん
「あれ、今は様子見で動いて無いけど、またいつ動き出すか分からないんで。今のうちに仕留めちゃいます」
私は指を指しながら説明する
「なっ!」
「えっ!?」
二人はそれにつられてクマの居る方を向き固まった
「あ〜、固まらないで!」
「ハッ、す、すまん。いや、しかし、仕留めるとはなんだ!先生は許さんぞ!!」
そんな危ない事は、と腕を組ながら言う先生は、よくドラマとかにある娘の結婚を許さないと言い張る頑固親父にそっくりだった
「そ、そうですよ先輩!ここは警察に電話して何とかしてもらうのが安全です!」
ベアも加わり少しややこしいことになった
さて、どうしようか・・・
あのクマは警察なんかじゃ殺せないし、逆に警察がたくさん死んでしまうだろう
でもそんなこと言ったら、絶対に「だったら尚更駄目!」と言われそうだ
・・・・・・めんどくさい
昨日、シルフィはこんな面倒な事を一からちゃんと説明してくれたのか!
今頃気付いてごめんよ、シルフィ
後でちゃんとお礼言っとこう
「ごちゃごちゃごちゃごちゃ、さっきから五月蝿いですね。神子様の言う通りにさっさと動きなさい!」
今まで空から傍観していたシルフィが地上に降りて顕現し、二人に怒鳴る
あぁ、ややこしいのが増えた・・・
「だ、だだだだ誰ですか!?」
「・・・・・・」
先生が私とベアを背中に庇い前に立つ
「あの、先生?取り敢えずそいつ私の知り合いなんで睨むのやめてくれます?シルフィも睨むの止めて、ね?」
「「・・・・・・」」
言っても止めず、尚も続く無言の睨み合い
ベアはシルフィと先生を交互に心配そうに見ている
はぁ・・・