シンクロニシティー


 やっぱり、レイジは狡い。
 というか狡賢い。


 バカな振りをしているだけで、本当は抜け目がなくて計算高くて、ものすごく理知的なんじゃないだろうか。
 今となってはそんなこと、どうでも良いんだけど。



「いいよ」

 私が答えると、レイジは酷く驚いたみたいで目を丸くしてマジマジと私を見た。

 自分が言い出したくせに、なんだよ、と少し不満に思う。



 すぐにレイジは伏し目がちに苦い笑みをこぼして、

「そこまでして、別れたいかよ」

 独り言のように呟いた。


< 144 / 296 >

この作品をシェア

pagetop