シンクロニシティー


「お友だちの話では……
 あなたが歌っている途中突然、部屋の壁に頭をぶつけ出したってことだけど」


 ナッチがそう話したんだ。
 だったらそういうことでいい。


「はい。なんだか急にムシャクシャして、つい……」

 私が適当な嘘を吐くと、若い女性外科医は疑うことなく鵜呑みにした。


「ストレスか何かによる衝動的自傷行為か……
 お年頃よね」

 などと訳のわからないことを言って笑った。


 感じは悪くない。不快でもない。
 ただ、あなたに私の何がわかるのですか? と思う。

 それだけ。


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