シンクロニシティー



「やべっ、『コト』ん中、すっげぇ気持ちい」



 私に覆いかぶさってベッドを軋ませながら、『レイジ』が恍惚として言った。

 レイジの顔が目の前に落ちてきて、咄嗟に顔を背けた。
 左頬がシーツに埋もれる。


「へっ、相変わらずキスは無しか」

 嘲笑まじりに言ってレイジは、目的地を失った唇を、剥き出しになっている私の右耳へ落とした。
 舌で満遍なく撫でられ、その生温かい感触にゾクリとする。


 瞼を落として視界を閉じた。


 激しく揺さぶられる身体が、次第に熱を帯びてきて……
 空虚な温もりでさえも、今の私にとっては癒しなのだと自覚し、泣きたくなった。


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