微炭酸ガール
「・・はよ。」
俺は椅子に鞄を置き、
用意されていた牛乳を口へ運ぶ
「おはよう優大。早く食べちゃいなさい」
母さんは食器を洗う手を止めず、
開いてある手帳を見て今日の予定をチェックする
「母さん、今日・・」
俺の声を遮るように母さんの携帯が
鳴り出す。
「はい、高梨です。
…はい。わかりました。すぐに…えぇ。」
仕事先からだ。
母さんの携帯は仕事いがいほとんど
鳴ることがない。
父さんと母さんは医者で
ほとんど家に帰ってくることはない。
たとえ帰ってきても深夜で
ほとんど顔を合わせることがない。