あわの日
濁り泡

増えた仲間

今日もいつものように私と英子、和也の住むマンションの下に仲間と集う。
仲間ってのは、私(愛子)、私の女友達(英子)、英子の彼氏(和也)、和也の友達、公弘、圭介の中学三年生の5人。

愛子=様々な非行を繰り返したヤンキーの中学三年生
この年の春にこの地へ引っ越して来た。
本当はこれを期にやり直すつもりだったが、ヤンキーぶってる英子に見下されたくなくまたヤンキーへ。
それからはまた不良仲間とつるむ毎日。
学校へも行ったり行かなかったり…。
今の楽しみはこうして仲間と集う事で、毎晩マンションの下に集っては夜中まですごしていた。

いつものようにマンションの下で、タバコを吸いながらみんなでダラダラしていた。
そこに和也の友達が原付きに乗って現れた。
「おぉ和也」
と和也に声をかけたのは悟だ。
その横にもう一人いる。そいつは信二。
…なんだこいつら!?
バカでかいな。
これが私の第一印象だった。

「なぁ今日何する?? ここにおってもしゃぁないし、動こうやぁ」
そう切り出したのは悟。
「じゃぁさぁ、久々にカラオケ行こうや〜♪ 英子も行きたいだろ〜??」
カラオケ好きの和也が言った。
「うん、行く☆ 愛子も行くよね??」
英子が私を誘った。
「あ、うん」
私はみんなとつるみたいし、何よりも信二と話してみたいと思った。

♪抱きしめ〜たい〜♪
Mr.Childrenの曲をノリノリで和也が歌っている。
和也は歌がうまくてMr.Childrenの桜井さんの声ににている。
それを自分でも認識しているようで、マイクを離さない。

和也=私と同じマンションの階違いに住んでいる。
中学の途中で引っ越した事もあり、私や英子とは別の中学校へ通っている。
和也は仲間の中心的存在となっている。

予約があく事なく歌が続く。
♪TRAIN-TRAIN走ってゆ〜け♪
悟が歌う側で公弘や圭介が狂ったように踊る。
いつもの光景だ。
その中でいつもと違う光景に見入る私。
信二の姿だ。タバコを座って吸ってるだけだが、みんなに交ざるわけでもなく単独行動。
なぜだかそれに引き付けられてしまう。
…こいつ何でみんなと弾けないんだろう。
変わっとるなぁ。
私は思った。
新しい仲間との夜はいつもよりもあっという間で、新鮮だった。
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