色をなくした世界
残された雪乃は一馬と雄大を思う。


この二日で一気に周りが変わった。


・・・・いや。変わったような気がするのは自分だけなのかもしれない。


雄大はずっと雪乃を好きだったと言っていた。


ただ雪乃が知らなかっただけ。


(本当に・・・私って馬鹿なんだな・・・・)


どうして少しでも雄大の気持ちに気付かなかったのだろう・・・・もっと早く気付いていれば・・・あんな顔も行動もさせずにすんだのに。


いつだって欲しい言葉をくれた。

いつだって優しさをくれた。

いつだって愛してくれていた。


(私はいつももらってばかりで・・・・何も返していないのに・・・・)


雪乃ができた事は傷つけた事くらいだろう・・・・。


どんなに悔やんでも時間は戻らないのに・・・



どんなに悔やんでも結果は同じなのに・・・



何度やり直しても雄大を傷つける道しか選べないのに・・・雄大の側を離れる事がこんなにも苦しい自分を・・・雪乃はどうすれば良いのか分からなかった。


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