色をなくした世界
青山は雄大の気持ちに薄々気づいていたが、何も聞きはしなかった。


「雪乃ちゃんが・・・・月命日に泣かなくなると良いな」


それだけ告げると、もう行けと今度こそ追い出した。




雄大が席に戻れば、雪乃が待ってたよーと雄大に手を振っている。


「おう!雪ちゃん!何かようだった?」


コーヒーを飲みながら雄大も手をあげる。持っていたもう一つのコーヒーを雪乃に渡せば、喜んで飲み始めている。


「いつもいつもコーヒーありがとう」


最近では日課になりつつある雪乃へのコーヒーの差し入れ。たまに雪乃が買ってきてくれることもあるが、雄大が買ってくる事の方が多かった。


「良いってことよ!雪ちゃんコーヒーでも飲まないと休憩しないからな!」


働き始めて知った事だったが・・・雪乃は仕事人間だった。


働いたことがないと言っていた為、始めは雑用しか期待していなかった雄大達だったが、今では立派な戦力である。


「だって・・・仕事面白いんだもん」


そう言って雪乃は今やっている仕事を雄大に見せてくれた。


仕事は早く綺麗なものだった。女性ならではの視線というのもあり、雪乃がやる仕事は女性らしさが出ている。


< 40 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop