彼は、理想の tall man~first season~

どんな人なのか、聞かれて正直に答えると、見たい――と。

勢い良くサワーが入ったジョッキをテーブルにドンと置いた。


「見たいって智子。それは微妙でしょ。私だってまだお礼の電話してそれっきりの状態なんだから」

「いいじゃん見たい!! 美紗が良いって思ったメンズなら、尚更見てみたい!!」

「この先うまく行くようならいいけどさ、まだそこまで気持ちが追いついてないし、状況も、ねぇ」

「もう決まってんじゃん!! 飲み友達からでもって向こうから言って来たんでしょ?」

「まぁ、そうだけど。その場限りの雰囲気的な言葉かも知れないし。いきなり友達連れて会うっていうのは微妙じゃない?」

「ならコンパしようよ!! あ、尚君の上司なら尚君も連れて」

「智子ちゃんちょっと落ち着こうか。兄妹でコンパなんて、かなりありえないから」

「いいじゃん、いいじゃん!! ふたり仲良いんだし」

「そういうのとこういうのはさ、別だから、ね?」


興奮気味の智子に、ちょっと押され気味の私。

智子は納得していない感じで、ほっぺを膨らませていたけど。

まだまだ進展するかも分からない状況だから――参ったな。
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