彼は、理想の tall man~first season~
「仕事は出来る人で、会社でもプライベートでも、俺も目ぇ掛けてもらって、良くしてもらってるって。んで、見た目は多分美紗のストライクだって言っといた」
「そう・・・・・・なんだ」
いや、まあ、ストライクちゃストライクだけど。
もっとこう人柄を言うとかさ、なかったワケ?
仕事が出来るいい男ってことしか、お父さんに伝わっていない気がするんだけど。
それが、以心伝心したのか――尚輝はその答えを私にくれた。
「どういう人かってのはさ、変に先入観持たせない方がいいと思って、敢えて深くは言わなかったけど」
「え? あ、うん」
ふぅん、そんな意図があったのかと感心していたら、
「こんなもんでいいか?」
そう言って、尚輝がサラダボウルを手に持った。
「あ、待って! 海藻も」
「ん? ワカメちゃんもか?」
「うん、あと花鰹君も宜しく」
尚輝はヘイヘイと言いながら、それらを盛り終えると小皿も手にして。
「ドレッシングは頼むー」
そう言いながら、テーブルの方へ行ってしまった。