彼は、理想の tall man~first season~

テーブルにある不要な物を片付け、テーブルに来る際は必要な物を運ぶ。

無駄のないその姿に、仕事も手際は良いんだろうと感じた。


「ねぇ尚輝、明日はゴルフ行く気満々?」

「ん? 美紗が行くなら行くけど?」

「それじゃ、明日は1時間遅れで行くことに決めた」

「了~解~」

2人の会話を聞きながら、練習熱心だなと感心。


「そういや、親父が夏休みゴルフ行くって言ってたぞ」

「え? 本当に? それじゃ、明日は絶対に練習行く」


彼女は楽しそうに尚輝に返していた。

兄妹で仲が良く、親とも良好な関係を築いているであろう彼女を見ていると、少し羨ましく感じる。

一時期崩壊しかけた俺の家とは違って、家族愛というものを、得て育って来たんだろう。


「ウィスキー飲む人」

彼女がそう声を放ち、男3人黙って挙手。


彼女は、お風呂上がり独特の匂いを振り撒きながら、氷をグラス3つに入れた。

その当人は、ウィスキーの最初はストレートと決めているようで。

ウィスキーを全てのグラスに注いだ後、今日何度目かの乾杯をした。
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