彼は、理想の tall man~first season~

ちょっと歳とったな――とか、余計なことを思って、なんか勝手に、切なタイム。


――って、そんな時間ないんだった!!

スタッフルームに入り、ピアノの鍵と、昨日見立てておいた譜面と新たに譜面を探し出し。

昨夜、久々に弾いた、お店のピアノの前に立った。


お店を閉めた後、マスターは酔っていても、ピアノだけは自分で磨いて、きちんと鍵を掛けて管理している。

そういう所だけはマメで丁寧なんだよな――とか思いながら、蓋を開けて組立のひと仕事。


セッティングが無事完了して、敦君達の方を見ると、なにか話し込んでいる雰囲気。

声を掛けるのはどうも気がひけて、譜面を開いて私は取り合えず座った。


入場曲とスライドショーの時のBGM曲と歌う曲の伴奏。

候補を合わせたら、それぞれ2曲ある。

尺的な問題と曲のどの部分をどう弾いてまとめるか。

これは、マスターにアレンジを頼んだ方が、得策な気がする。

後でちょっと相談してみようかな。

時間もないから、アレンジに時間を費やすなら練習に費やしたい。

駄目なら最悪夜な夜なここで徹夜して――。

頭の中で予定を描いて、スケジュール的な計画を考えた。
< 568 / 807 >

この作品をシェア

pagetop