彼は、理想の tall man~first season~

「そう? それなら、早めに出て、どっか回りながら行くのもありか」


うわ、ヤバい――どうしよう、楽しそう。

でも、それって、2泊3日プラン?


え――ちょっと待って。

その場合、部屋って――2人っきり?

確か、松本さんはご両親も連れて行くような話で、おちびちゃん達も連れて行くって言っていたような。

そうだとすると、相部屋なんて絶対無理な訳で。


いよいよ逃げられない状況になるのか、否か――。

いや、もう、この際だから、ゆっくり敦君と過ごせるプランがいいかな。


関係を築いていくには、避けては通れない道、だよね?


敦君の性格なんて、解らないことだらけだけど。

歪んだ人ではないと思うから、きっと、私の嫌がることはしない――はず、だと思うし。


ああーっ、これは今考えると、会話に支障が出そうだから、後でひとりの時に落ち着いて考えよう。

うん、今は余計なことは考えない方が身の為だ。


「どっかで美味しい物が食べられたらいいけど」

「あ、本当に、」

それはそうですよねって焦って返すと、妙に落ち着かなかった私の返答に、敦君はフッと笑っていた。
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