彼は、理想の tall man~first season~
「季節外れのくしゃみ連発。原因は中條しかいないだろ」

「人聞きの悪いこと言うなよな」


そう言って笑い始めた2人の雰囲気からは、仲の良さが伺えた。


「ねぇ、どうだった? 南ちゃん。中條、俺のことなんか言ってた?」

「え? あの、南って…」

「あれっ、アサクラさんて苗字なら、そう呼ばれたこととかなかった?」

「それって、タッチの?」

「うん、そう」

物凄く久々のタッチネタに、軽く驚かされつつ、松本さんからは親しみ易い雰囲気を感じていた。

「えっと…タッチ世代でもなくて…」

私のつぶやきに、「あ~そっか、そっか~俺もギリだしな~」と、妙に納得してくれた雰囲気だった。

「それじゃ、下の名前は何て言うの?」

「美紗」

「――え?」


それは、成り行きだからだったからなのか、なんなのか。

松本さんの問いに答えたのは、隣に座っている中條氏だった。

隣から聞こえて来た中條氏の初めての呼び捨てに、一気にドキドキが頭のてっぺんまで駆け上がった。
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