償いノ真夏─Lost Child─
「真郷は、お父さんとお母さん、どちらと暮らしたい?」
その言葉に、真郷は迷わず「父さん」と答えた。
父は、泣きながら真郷を抱き締めるとこう言った。
「ありがとう、真郷。でも父さんはお前の側に居られない事が多い。お前はまだ小さい。だから、一人にはできないんだ。だから……十六歳になったら、一緒に暮らそう」
父の言葉に、真郷は頷いた。
本当は留守番くらい出来る。一人でも心配ない。今までそうだったのだから。