償いノ真夏─Lost Child─

今までは両親の為と思い、家でも学校でも、模範的な優等生を演じてきた。

くだらないと思えることも積極的に行った。

しかし、今回は違う。


「今日からお世話になります。深見真郷です」


一時的に母のものになった姓。口にすれば、小さな違和感となる。

職員室に入った途端、刺すような視線を感じた。

それが、異端。
真郷は自ら望んで異端となったのだ。

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