償いノ真夏─Lost Child─
中学生には似つかわしくない金髪。
田舎の子供とは違う、日焼けを知らない明るい肌の色。
そして、大人びて凛とした佇まい。
「やぁ、深見くん。深見屋敷の息子さんだろう?君は今日から二階のクラスで過ごすことになるからね」
「──はい」
「宜しく。じゃあ、教室まで案内するから」
担当の男性教師は、そう言うと立ち上がった。
真郷もそれに伴い、職員室を後にする。
髪の色を咎められることは無かった。異端は異端のまま。
触れることさえ禁忌だというかのように、静視された。