償いノ真夏─Lost Child─

木造の古めかしい校舎は、いくらか劣化が認められる。

廊下は歩くたびにギシギシと鳴いた。


「ここだよ」


突き当たりの教室で、教師は歩みを止めると、真郷を見た。

「それじゃあ、合図したら入ってきて。自己紹介、よろしくね」


黙って頷くと、真郷は教室へ入っていく教師の背中を見つめた。

< 22 / 298 >

この作品をシェア

pagetop