償いノ真夏─Lost Child─
そんな事を考えている内に、時間は刻々と過ぎていた。
響いたチャイムの音が、真郷を現実に引き戻す。
途端、真郷の机の周りにクラスメイトが群がった。
「なぁなぁ、深見屋敷に住んでるってマジ!?」
「都会の子ってお洒落だねー!ねぇ、東京ってどんな所?」
「金髪カッコいいね!真郷くん、彼女とかいるの?」
「あーそれ、私も訊きたいなぁー」
あっという間に囲まれてしまい、朝霧に話し掛けるタイミングを逃してしまう。
心の中で舌打ちしながら、真郷は適当に相づちを打った。