償いノ真夏─Lost Child─


そんな事を考えている内に、時間は刻々と過ぎていた。

響いたチャイムの音が、真郷を現実に引き戻す。

途端、真郷の机の周りにクラスメイトが群がった。

「なぁなぁ、深見屋敷に住んでるってマジ!?」

「都会の子ってお洒落だねー!ねぇ、東京ってどんな所?」

「金髪カッコいいね!真郷くん、彼女とかいるの?」

「あーそれ、私も訊きたいなぁー」


あっという間に囲まれてしまい、朝霧に話し掛けるタイミングを逃してしまう。

心の中で舌打ちしながら、真郷は適当に相づちを打った。

< 27 / 298 >

この作品をシェア

pagetop