償いノ真夏─Lost Child─


蛇が、小夜子の中で熱いものを吐いた。

その瞬間、小夜子の目隠しがはらりと解ける。
そして、彼女は驚愕した。

自分を抱える鬼の面をつけた男。周りには、同じような男が四人いる。

「いやぁあぁあぁああああああ!」

自分の中に侵入したのは、蛇などではなかった。まだ繋がったままのそれは、小夜子の中でなおも熱く震えていた。

白い蛇は、鬼の首に巻き付いて笑っている。

そして彼女の悪夢は、誰にも知られることなく、夜が明けるまで続いたのだった。


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