償いノ真夏─Lost Child─
ぽつり、ぽつりと雨が降りだしたのは、それから数秒後のことだった。
その雨は、祭りの終わりを告げていた。
巫女の舞も終わり、ぞろぞろと観客が移動する。
すぅ、と小夜子が手を引いた。
「もう、大丈夫」
そう呟くのが聞こえた。
「真郷も姉ちゃんも何ぐずぐずしてんだよ。帰らないと叱られるぞ」
夏哉に急かされて、辺りを見れば祭りの明かりが消えていくところだった。
「……次は、また五年後なんだね」
「うん、なんだか……寂しくなっちゃうな。今日は特別、楽しかったから」