償いノ真夏─Lost Child─
名残惜しそうに、小夜子は消えゆく明かりを見つめていた。
「いいじゃん、また来ればさ」
「もう。ナツってば、お祭りはまた五年後なんだよ?」
ムッと頬を膨らませる小夜子を、真郷は微笑ましく思った。
「──来よう?何年後だって、また三人でさ」
「良いこと言うじゃん、真郷」
「俺だってまた来たいし。一人じゃ寂しいから旅は道連れってやつね」
「なんか嫌な言い方だな、ソレ」
夏哉は声を上げて笑った。それにつられるように、小夜子と真郷も笑い合う。
「うん、必ず、来よう」
誰からでもなくそう約束する。