とにかく笑ってくれればいい
スタートラインの一歩手前


冷たい風と共に流れる月日と少女の赤く長い髪。
サラサラと音をたて、またこうして少女の目が冷たくなる。


どうしても堪えられないあの日の苦しみ。
1日が一週間くらいの長さに感じるのは、自分だけだろうか、なんて毎日考える日々。




少しの希望を胸に抱き
この小さな小さな村にやってきたのは1人の少女と
その兄。



このとき赤い髪の少女《茅聖"チサト"》と兄《茅隼"チハヤ"》は中学三年生と高校一年生だった。





大丈夫大丈夫と言い聞かせながら
やってきた、これが更なる苦しみに変わるなど
思いもせずに。


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